急に体重が増えたときに考えられること

2018-07-30 10:00:00

 ちょっと身体が重いだけ? 実はもっと危険な兆候かも?! 特に理由もないのに体重が増えている…そんなときはこれが原因かも。


◆睡眠障害

眠れないのはもしかして不眠症? それとも睡眠時無呼吸症候群? むずむず脚症候群?「睡眠不足はなにが原因だとしても、体重増加につながるおそれがある」とシカゴのCentre for Lifestyle Medicine at Northwestern Medicine内分泌科医のリサ・ネフ医師。睡眠が足りないと、空腹や満腹の信号を出すホルモンに影響を与える。そのため、きちんと寝ていないと、食べ過ぎになりがち。さらに、最近の研究では、睡眠不足だと食べることがより楽しく感じられるそう。つまり、よくないとはわかっているのに食べすぎてしまう傾向に…。それに加えて、疲れていると活動量がどうしても減ってしまうので、食べすぎてしまった分のカロリーをさらに燃やすのはむずかしそう。


◆うつ病

うつ病に悩む人は、いくつかの要因によって体重が増えてしまう。「感情的になって食べてしまうことも。うつ病は身体活動に影響を与えるだけでなく、抗うつ剤の多くは体重の増加につながる」とネフ医師。また、「抗うつ剤だけでなく、ほとんどの薬には体重にインパクトを与えるような副作用がある」と話すのは内分泌専門のエイミー・ロスバーグ医師。インシュリン、ベータブロッカーや経口避妊薬などもそうした薬の一種。ロスバーグ医師は、急に体重が増えたと相談してくる患者には、なにか新しい薬を飲み始めていないか必ず尋ねるそう。


◆疼痛性障害

慢性的な痛みがつづくような線維筋痛症、リュウマチ、坐骨神経痛もウェストサイズの増加につながってしまう要因。「どうしても痛みがあると活動的になれなかったり、よく眠れなかったりするのがその理由」とネフ医師。さらに、痛みのために処方されるクスリ、特に神経痛に対するものも体重増につながることが多いそう。


◆クッシング症候群

あまり一般的ではないものの、コルチゾールの過剰分泌によるこの内分泌異常症は、突然体重を増加させる。また、「体重のつきかたも変わり、顔が丸くなったり、身体の他の部分や筋肉自体は細いのに、おなかだけが出ているということが多い」とロスバーグ医師は話す。医師のもとで検査をすることで、この病気によくみられる症状を発見することができるそう。


◆更年期

身体の状態というよりは、人生におけるステージのひとつと言った方がいいかもしれないけれど、更年期に数キロ体重が増えるのは一般的。「急に体重が増えたと言ってやってくる女性はとても多い。しかも、今まで体重を減らすためにやってきたことがうまくいかず、努力しているのに10キロも増えてしまった、という人も」とネフ医師。ホルモンはもちろん原因のひとつだが、それだけではなく、ホルモンの変化によってのぼせてしまうことが睡眠不足につながり、さらに体重増加の原因にもなるそう。そして、なによりも年齢を重ねるということ自体が代謝の低下につながっているので、そのことをまず受け入れて。