これが原因?ランニングしてるのに痩せないカラダ

2018-08-24 11:00:00

 いつものランニングで実際にはどのくらいカロリーを消費しているのか? 実は思ったほどのカロリーを燃やしていないのが現実。せいぜい、甘みのあるアイスコーヒー一杯分がいいところ。「ランニングをする人のありがちな間違いは、燃焼カロリーの計算間違いだ」と話すのはニューヨークの栄養士リサ・エリス。でも、落とし穴はカロリーの計算ミスだけでなない。せっかくのランニングが台なしにならないように、ありがちな8つの間違いをチェック。


カロリーの計算ミス

確かに、ほかの活動に比べるとランニングはたくさんカロリーを燃やしてくれるというのは事実。けれど、消費カロリーは男性の場合1キロ走って平均で76キロカロリーだが、女性の場合は平均67キロカロリー。つまり、5キロ走っても325キロカロリーということ。このくらいだと甘いラテやアイスドリンクを1杯飲んでしまうと帳消しになってしまう。


そんなことにならないために、自分の身長、体重などを入れて、どれだけカロリーを消費したのかを計算してくれるオンラインのサイトやGPS時計を活用してみて。どうしても走ったあとのごほうびが欲しい場合は、カロリーのコントロールをしやすい一口サイズのクッキーや小分けになっているお菓子などで工夫するのもひとつの方法。


脂質を避けすぎている

なにもつけないトーストやドレッシングなしのサラダ、コーヒーにクリームのかわりに低脂肪乳を入れて、“私がんばっている!”と満足になっていない? 脂溶性のビタミンA、D、E、Kの吸収には脂質が必要。また、脂質は炭水化物やタンパク質に比べて吸収が遅いので、空腹感をおさえるためにも欠かせない。さらに、食欲をコントロールするホルモンのグレリンやレプチンが働くためにも脂質が必要だそう。脂質をゼロあるいはあまりにも少なくしすぎるとこのホルモンがうまく働かなくなるので注意。毎日の食事のカロリーのうち20から30パーセントは脂質から摂るのがベスト。ただし、加工品に含まれているトランス脂肪酸は避けて、肉や乳製品の飽和脂肪酸も摂りすぎないように。心臓を守り、満腹感を生み出すオリーブ油、ナッツや種子類、アボカド、魚などの一価不飽和脂肪酸あるいは多価不飽和脂肪酸を選んで。最近の研究では一部の油、特にオリーブ油は匂いだけでも満腹感を引き出すホルモンの分泌をうながしてくれるとか。


空腹状態でのランニング


「朝食前におなかの空いた状態で走ると、脂肪を燃やしてくれる」というのは聞いたことがあるかもしれないが、実は思っている効果はないそう。というのは、走り出してもすぐに脂肪から燃えるのではなく、まずは筋肉にグリコーゲンとして蓄積されている糖質から燃えるから、と説明するのはレイチェル・バーマン。この貯まっている糖質がなくなってからでないと脂質は燃えない。この切り替えのときに、ランニング前にきちんと食べていないと、エネルギーが落ちて燃えるカロリーが減ってしまうそう。


もし、30分以下の軽いランニングをするなら、なにも食べなくても体内のグリコーゲンで足りるので食べずに走っても問題なし。ただ、もっと長くハードに走る予定なら、1時間前くらいに100から200キロカロリー程度のおやつを食べてから走り出して。炭水化物とタンパク質が少し入ったもの、たとえばバナナとピーナツバターを食べて、水分を補給してから走るように。


ランニング後の栄養補給が足りていない

長くてハードなエクササイズの後にはグリコーゲンを使い果たしてしまい、筋肉が空腹状態。問題は、自分はおなかが空いていると思えないこと。「エクササイズの直後は、食欲が減退していることも多いが、しばらくたって身体が落ち着くと、グリコーゲンが足りなくなり、空腹だったことに気づき、結果的に手あたり次第食べたくなってしまうことも」とバーンマン氏。


これを避けるためには、ハードな運動をしたあとは、その後食べ過ぎてしまわないように、なるべく1時間以内になにか食べるようにして。American College of Sports Medicineは食べるなら炭水化物4に対してタンパク質1の割合、200キロカロリー以内におさめることをすすめている。たとえば、低脂肪のココアなら1杯160キロカロリー程度なので、カロリー的にも栄養素のバランス的にもぴったり。


エナジージェルに頼りすぎ

ランニング中にエネルギー補給をしすぎていない? エナジーバーやジェル、ドリンクなどに頼りすぎてカロリーを過剰摂取しているかも。「ランニング中の補給はカロリーが高いうえに、空腹感をおさえるのにはあまり役に立たない」とバーマン氏は注意を促す。


1時間以内のランニングなら、エナジージェルやスポーツドリンクはやて、水に。それ以上長く走るのなら、1時間あたり30gから60g程度の炭水化物、つまりエナジージェル1、2本か450mlから900mlのスポーツドリンクを目安に。


飲み物からのカロリーを摂りすぎ


コップに入っていてもお皿にのっていても、形はちがえどカロリーという点では同じ。特にアルコールに含まれているカロリーにはやっかいなので気をつけて。Centers for Disease Controlの2012年の調査によると、平均的なアメリカの大人は、一日あたり100キロカロリーをアルコールから摂取しているという。これに加えて、砂糖を入れたコーヒーやお茶、炭酸飲料、ジュースなどの甘いドリンクを加えるとすぐにカロリーオーバーに。しかも、調査によると液体のカロリーは、固形の場合よりも満足感を得られにくいとか。つまり、お酒で200キロカロリー摂ってしまうと、夕食で食べるのをその分減らしてもまだ物足りないと思ってしまうことに。


飲み物は、水や甘みなしのお茶などカロリーのないものをなるべく選んで。アルコールは、抑制がきかなくなりがちなので、食べすぎにつながる恐れがあるので注意。バーマン氏は、「適量のアルコールとは、女性なら1杯、男性なら2杯」と話す。軽いビールやワイン、炭酸水で割ったリキュールなどを選ぶようにして、甘い砂糖たっぷりのお酒は避けて。


結果を出そうと焦りすぎ

「流行りのダイエット法に手を出したり、急に結果を求めても途中で挫折するだけなので、続けられるペースを守った方がいい」とはバーマン氏のアドバイス。1週間に450gから1キロ程度を減らしていくくらいがちょうどいいそう。


焦らずに、健康的な朝食を食べる、ランチのポテトのフライをリンゴにするなど小さな変化を積み重ねて。地味に思えるかもしれないけれど効果はアリ。体重計をにらんでばかりではなく、よい習慣が定着したら、ネイルをしたり、新しいウェアを買ったり、ごほうびを活用して。


ふり返っていない

身体が大きくて体重が重いほどカロリーを燃焼するというのは、生理学的な事実。そして、これは寝ている間もランニング中も同じ。だから、減らさなくてはいけない体重が多い人ほど結果が出やすい。ただ、体重が減るにつれて身体が慣れていき、残念ながら段々とカロリーも燃えにくくなってしまう。これはランニングもそうなので、最初に効果があったことも、しばらくすると微調整が必要になってくる。


「体重の10~15パーセントほど体重が減ったら、一日の摂取カロリーを調整するように」とバーマン氏はアドバイスする。エクササイズによる燃焼カロリーも、体重が減ると少なくなるので計算しなおして。