糖質制限ダイエットってほんとうに効くの?

2018-05-25 14:00:00

 最近よく耳にするのが糖質制限ダイエット。効果があったという人や、逆に効果がなかった、体を壊したといった意見や書き込みもあります。


もし効果があるとすれば、なぜ脂肪やタンパク質ではなく、糖質だけを控えることで痩せるのでしょうか。それは、体に皮下脂肪がつく仕組みに関係があります。


■なぜ糖質を食べると太るの?


ダイエットに詳しい人であればご存じかもしれませんが、糖質というのは炭水化物のことです。ご飯やパン、麺類などの主食に多く含まれているのが炭水化物、つまり糖質になります。また、お菓子や果物に含まれている糖分も糖質の一種です。


糖質制限ダイエットというのは、言い換えれば、これらの主食や甘味類を控えるダイエット方法だと言うことができます。


 炭水化物というのは、じつは体のなかでは一番エネルギーに変わりやすい栄養分です。同じ食事として取っても、脂肪やタンパク質よりも先に炭水化物が使われます。とくに脳のなかでは、炭水化物以外の脂肪とタンパク質はエネルギーとして使うことができません。


エネルギーに変わりやすいのであれば、それだけ早くカロリーを消費してくれそうに思えます。この炭水化物を制限することが、なぜダイエットにつながるのでしょうか。炭水化物がほかの栄養分と違うとすれば、いったい何が違うのでしょう。


食事の栄養が体のなかでエネルギーになるためには、インスリンというホルモンが欠かせません。インスリンが放出されることで、栄養分は細胞に送り届けられることになります。このインスリンを放出させる役割を持っているのが、炭水化物です。


ご飯やパンなどの炭水化物を食べると、インスリンが分泌されて栄養分がエネルギーに変わります。しかし、このインスリンには皮下脂肪に余分な栄養を蓄えるという働きもあります。もし、食事で必要以上の栄養を摂っていると、インスリンによってそれが皮下脂肪に送り込まれてしまうのです。

 

炭水化物を食べなければインスリンも分泌されないため、皮下脂肪が増えることはありません。お肉や揚げ物などの油物は、皮下脂肪になりやすいとよく言われますが、脂肪やタンパク質だけを摂っても皮下脂肪にはならないのです。


■糖質制限をしても痩せないのはなぜ?


ご飯やパンの量を減らしても痩せないという人は、知らず知らずのうちに炭水化物を摂ってしまっている可能性があります。野菜や果物、芋類にも炭水化物は含まれていますし、肉や魚もわずかですが炭水化物を含んでいます。


とくに気を付けたいのは、芋類です。ジャガイモやサツマイモは野菜だと思われがちですが、その栄養分のほとんどが炭水化物なので、お米やパンなどと同じ主食に当たります。トウモロコシも炭水化物を多く含んでいます。


こういった食材を炭水化物だと知らずに食べていると、ご飯やパンを食べているときと同じようにインスリンが分泌されて、余分な栄養が皮下脂肪に変わってしまうのです。もし糖質制限ダイエットをするのであれば、芋類やトウモロコシは主食だということを覚えておきましょう。


また、炭水化物の摂り方によっても痩せにくくなってしまう場合があります。炭水化物によってインスリンが分泌されることはすでに書きましたが、インスリンは血液中の脂肪分もいっしょに皮下脂肪のなかに取り込んでしまうのです。


これはどういうことでしょうか?


油の多い食事をすると、消化されて血液のなかにも脂肪分が多い状態が続きます。脂肪分は一度摂取するとなかなか体の外には排出されません。例えばランチでお肉やポテトフライなどを食べたとすると、次の食事で炭水化物を摂ったときにそれが皮下脂肪に変わってしまうのです。


とくにフルーツに含まれる果糖は、インスリンがなくても皮下脂肪を増やしてしまうという性質があります。お昼に油っぽいものを食べたから夜はあっさりとフルーツで、と考えていると、それが逆に太ってしまう原因となるので気をつけましょう。お菓子に含まれている砂糖も皮下脂肪を増やしやすい糖質です。


もし、お肉やフライなどの油物を食べてしまった場合には、お米やスパゲティーのようにゆっくりと吸収される炭水化物を食べると、皮下脂肪はつきにくくなります。炭水化物は体にはなくてはならない栄養素なので、吸収されにくいものを適量食べるというのがベターです。